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『宮島★文庫』一般書店等で好評販売中!

第2回みんなのライトノベルコンテスト受賞作品集『宮島★文庫』完成しました!
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アニメーション/コンテンツをキーワードに地域活性化に取り組む広島アニメーションシティが、「地域」と「ライトノベル」を融合させた「みんなの文庫プロジェクト」第一弾として3月9日に発行した、『宮島文庫~第2回みんなのライトノベルコンテスト受賞作品集』 以下の通り、広島地域の一般書店および舞台となった宮島での委託販売の取り扱いが始まりました。

これまで、『宮島文庫』はポップカルチャーコンテンツとして、ホビーショップ、レンタルケースショップでの委託販売をしておりました。一般書店および物語の舞台となった宮島での取り扱いを通して、広く一般読者層や観光客への周知・販売を目指し、地域発信の新しいライトノベルジャンル「地域系ライトノベル」(略称ジノベ)の提案によって地域コンテンツ文化を盛り上げるとともに、『宮島文庫』に参加いただいた作家、広島出身/在住クリエイターの活躍の場を拡げる機会になればと考えています。

(写真提供:MARUZEN&ジュンク堂書店広島店様/-上段右端に配置-)

1.新規販売取り扱い店舗

  • 廣文館 http://www.kobunkan.com/

    金座街本店、アルパークブックガーデン、広島駅ビル店、福山駅ビル店の4店舗
    ※4月20日頃より各店舗準備整い次第販売開始しました
  • フタバ図書 http://www.futabatosho.co.jp/

    紙屋町店、八丁堀店、MEGA祇園中筋店、GIGA広島駅前店、TERA広島府中店(ソレイユ内)、アルティアルパーク北棟店の6店舗
    ※GW期間中より各店舗準備整い次第販売開始しました
  • MARUZEN&ジュンク堂書店 http://www.junkudo.co.jp/

    広島店 ※5月9日より販売開始しました
  • 宮島観光協会 宮島フェリーターミナル売店 http://www.miyajima.or.jp/

    (廿日市市宮島町1162-18)
  • 松文書店

    (廿日市市宮島町北之町浜1183-2)
  • ※宮島観光協会、松文書店ではGW期間中より販売開始しました。
    ★宮島内での販売分にもれなく宮島限定特典ポストカードを付けています。

2.これまでの販売場所

  • ホビータウン http://hobby-town.com/shop/

    広島店(広島市安佐南区大町東3-27-39)、サンモール店(広島市中区紙屋町2-2-18 3F)
    注)ホビータウン広島店はサンモールへの移転により5 月15 日(日)をもって閉店されました。
    サンモール店はリニューアル工事中。オープンは6 月3 日(金)です。
  • レンタルケーストウゴウ http://www.tougou.sakura.ne.jp/

    (広島市中区大手町2-6-31 タケダビル2F)

第2回みんなのライトノベルコンテスト受賞作品集『宮島★文庫』完成しました!

第2回みんなのライトノベルコンテスト受賞作品集『宮島★文庫』完成しました!
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かねてよりご案内していました、第2回みんなのライトノベルコンテスト受賞作品集『宮島★文庫』が完成しました。本日3月11日、広島市政記者クラブ記者発表にてお披露目を行ないました。

第2回みんなのライトノベルコンテスト受賞作品は、HAC/みんなの.jpサイトでも読むことができますが、「本」として手にとるとまた新たな楽しみを味わっていただけるのではないでしょうか。(ずっしり645グラム!)

『宮島文庫』は広島アニメーションシティ初の同人誌として誕生しました。今後、書店等への営業を行なって販売ルートの拡大をめざしていきます。

●書籍体裁: A5判 384頁 オフセット印刷 フルカラーカバー付き
●発行日: 2011年3月9日
●発行者: 広島アニメーションシティ
●発行形態: 同人誌
●価 格: 1,200円
●主な販売場所: ホビータウン http://hobby-town.com/shop/
広島店(安佐南区大町東3-27-39)
サンモール店(広島市中区紙屋町2-2-18 3F)
今後、随時展開予定。決まり次第「HACからのお知らせ」に掲載します。
●作品
(掲載順)
  • ・(優秀賞)吾の神居はお主の二階/ババタクヤ
  • ・(ストーリー賞)ロジカル真紅――赤い要素の集合と死の論理/藤原 平城
  • ・(キャラクター賞)微少女戦隊 イツクシマン!/碧乃諒
  • ・(佳作)渡る鳥 斎き嶋/頼明良
  • ・(佳作)ようこそ!カミシマへ。/ゆんぴ
  • ・(優秀賞、ライトノベル部門Web投票賞)泣くな『ミヤジマン』/WAT
  • ・(エッセイ部門Web投票賞)鳥居に会うためひとり旅/美杉
●参加イラストレーター
(敬称略)
ねこむら、炉火、有坂しおん、たんびの、柴間たすく(広島ものづくりジム)、HOM2号(広島オタクマップ)、みつもとじょうじ
  • ※イラストレーターのみなさんは、広島および広島近隣に在住して活躍されています。
  • ※制作上の都合により、誠に勝手ながら執筆者ラインナップが先行告知とは一部変更になっております。楽しみにされていた皆様には大変申し訳ございません。
【備考】 『宮島文庫』の書籍化にあたり、財団法人ちゅうごく産業創造センター支援事業:「プロジェクト立上げ助成事業」(平成22年度)の助成を受けています。

表彰式 | 各作品講評 | 全体講評 | むすびに | これまでの発表

第2回みんなのライトノベルコンテスト「宮島文庫」表彰式

日時:平成22年4月25日13:30~15:00
場所:広島国際学院大学 立町キャンパス

大変遅くなりましたが、第2回みんなのライトノベルコンテスト表彰式の様子と、作品講評をお伝えします。

表彰式は2010年4月25日午後1時30分から広島市中区の広島国際学院大学立町キャンパスにて執りおこないました。 表彰式へは入賞者7名の内、5名のみなさまにご来席いただき、ご家族や報道関係者らが見守る中、賞状と副賞などを授与し栄誉をたたえました。

表彰式はまず、主催者を代表して広島アニメーションシティの安東善博代表が挨拶に立ち、当コンテストの主旨説明、受賞のみなさまへの祝辞を述べ、続いて表彰をおこないました。受賞者に賞状・副賞が手渡されるたび、会場は大きな拍手がおこりました。

引き続き、入賞作品について谷口重徳実行委員長、小沢康甫審査委員、イワトビまこと審査委員、カワサキマミ審査委員から講評が述べられました。講評の後、受賞者の皆様から受賞の喜びや執筆中のエピソード、今後の構想などが語られると、会場には再び大きな拍手がおこりました。

セレモニー終了後は、受賞者の皆様やご家族、関係者を交えた記念撮影や懇談など、会場はなごやかな雰囲気につつまれました。

各作品講評

優秀賞:泣くな『ミヤジマン』

松野玲委員

特に地方において顕著な高齢化、過疎化、孤独・・・。そんな今の日本において、元気いっぱいの老人たちとその孫の世代にあたる若者たち(そして登場場面は少ないがしっかりとした存在感を示す親の世代)が一体となって「本物の“もみじ饅頭”復活計画」にかける物語。こんな物語が実際にあちこちで繰り広げられたら、日本はほんとにもっと元気になるのにと思わずにはいられませんでした。彼らはその土地の歴史や伝統や、空気や水や土や、もちろん人間同士、そこにある全てのものに影響を受け、または与え、繋がっています。

いくら風光明媚な景観や名産品も「人」がなければ色褪せ、味気ないものでしかないでしょう。その意味でこの物語は、生き生きとした登場人物が方言などによってもそのキャラクターを更に倍増させ、ここ宮島の魅力を輝きを持って発信しています。

作品の完成度では、物語としてのカタルシスの作り方など、いくつかの点でもう一工夫あるような気もします。

カワサキマミ委員

ライトノベルというより児童文学のような雰囲気です。登場人物が地味かと思いきや、読み進むにつれて徐々に味わいが出てくるスルメのような作品でした。

展開のテンポも軽妙で、「ミヤジマン」の衣装を準備するくだりは大変笑わせて頂きました。とにかく、「ヘタレカッコイイ」主人公とその周囲の人々が非常にいい味を出しています。登場人物の人情や甘酸っぱい恋愛模様も読後に爽やかな余韻を残す、完成度の高い快作。欲を言えば「ミヤジマン」以外のキャラクターが地味なため、キャラクタービジュアルが主体のアニメやイラストに展開させづらいのが残念です。

イワトビまこと委員

この作品は、ストーリー展開が自然で、無理がなく、宮島に生活する人々の生活観、空気感といったものがよく描かれた作品でした。作中の人物が生きいきとしていて、全体の印象が清々しいのも好感が持てました。

会話中心でストーリーが展開し、不必要な情景・心理描写が少ないことが特徴です。広島弁は字に起こすと、もったりとして美的でなくなる場合も多いのですが、この作品は上品にうまく描写されていました。また、饅頭や菓子を作る場面、テレビ局が花火大会の取材で訪れてすったもんだする場面などは、具体的な描写によって、うまく読者の興味をつないでいます。

ただ、エンディングにおいて登場人物が将来について話をするシーンは、もうひと捻りすれば、もっとインパクトのある作品に仕上がったのではないか。しかし、しっかりと書けていることに違いはなく、地域の人々の生活、息遣いがうまく描かれ、読んでいて楽しく、元気が出る作品です。

優秀賞:吾の神居はお主の二階

清水慎治委員

この作品を読み終え、東京在住の私は、広島・宮島に行きたいなぁと思いました。このくらいパワーに溢れ、奇想天外で破天荒だと、脱線すればするほど楽しくなりますね。なかなかの快作だと思います。

ただ、もう少しキャラクターの描写:例えば、外見、特徴など「顔」がビジュアルにイメージできるような描写がもっともっとあれば、いっそう作品の魅力が増したのではないでしょうか。

小沢康甫委員

女神の争いをコミカルタッチで描き、手下として出てくる巨人たちが漫画的で、つい笑ってしまいます。たとえば、兜が牡蠣殻だったり、全身茶褐色の体毛で覆われていたり・・・・。ヒバゴン大将軍、ロープウェー大将軍、みんな大好き紅葉饅頭大将軍、などといった名前からして愉快であり、映像にしてみたくなります。

厳島神社に祀る宗像三女神の三女「イチキ」は、人間界が大好き。神鴉文次という高校生の家を、新しい社殿にしてしまう。家の前に鳥居を建てさせ、文次の部屋は本殿に・・・目に余る勝手気ままな振る舞いだが、憎めません。タバコを吸う、欠伸をする、紺のセーラー服を着てみる・・・イチキの人間臭さに親近感を覚える。神と人、聖と俗との交感が心地いい。

戻りたくないイチキと、戻ってほしい姉神。そこで争いがおこるが、結局、姉神の提案で、イチキは文次の家に住みながら、厳島神社に通うことに。「通い神」という名づけが、ふるっています。

「宮島再発見」とは言いがたい内容だが、怪獣大戦争の活劇を思わせる展開です。

松野玲委員

こういったB級マンガ的な作品は個人的な好みでもあります。3人の神様を始め魅力的な女性たちや、文次ほかユニークな人物がいろいろと出てきますが、着ているものの描写はあるものの、いまひとつ肝心な「顔」といいますか容姿など具体的なビジュアルとして「像」が結びにくかったりするのがちょっと残念。

活字である以上、最終的なイメージは読む人それぞれではあると思いますが、せっかくビジュアル的な可能性を持った作品であるので、もう少し情景や人物に対する描写が簡潔でありつつも、より具体的な映像として絵が浮かぶような手法は期待したいところです。

それにしても、厳島神社の3人の女神様の人物(?)設定にはとても魅力があり、太古の昔、人間と神様の距離はもっと近かったに違いないと勝手な想像も膨らみ、厳島神社そのものや、そこに祀られている神様に興味を深めるきっかけに大いになりました。

ストーリー賞:ロジカル真紅――赤い要素の集合と死の論理

小沢康甫委員

2人の少女の出会いから始まるこの作品はスリリングな読み物でした。壇ノ浦に沈んだ安徳帝が幽霊となって宮島に現れたという奇想天外な話。その安徳帝が落ちのびたとされる硫黄島(鬼界ヶ島)をわざわざ訪ねるという設定。島で待ち受ける、どんでん返しを思わせるトリックに、作者の巧みな構成力が発揮されています。登場人物の魅力も豊かで、単なる幽霊の正体探しや伝説紀行に終わらせないところがこの作品の魅力です。

鬼界ヶ島には、平家への謀反を企てた俊寛ら3人が配流されました。そのうちのひとり、平康頼にまつわる石灯籠が厳島神社にあります。康頼灯籠はぬかりなくストーリーの伏線として使われている。宮島と南海の孤島を結びつけた展開が作品に奥行きを与え、旅情も誘う仕上がりになっています。

安徳帝に扮して千尋が被ったカープの帽子、宮島を彩る紅葉、朱の大鳥居、そして硫黄島の海の赤・・・随所に散りばめられた鮮紅は、平家の色。宮島の平家伝説をあらためて訪ねてみたくなりました。

清水慎治委員

非常にダイナミックで、意欲溢れる力作ですね。見事な“歴史ファンタジー風ミステリー”になっていると思います。

“地域の空気感”が少し弱かったかなという印象もありますが、優秀賞作品と全然遜色のない優れた作だと思います。

松野玲委員

かなり作品をつくられてもいるようで、一定以上の力量はお持ちではないかと思います。その上で今回は特に構成力が必要とされるミステリー/サスペンスというジャンルに挑戦されていますが、前半、そもそもの設定や必然性の点で読者が納得して入り込むことができる説得力がもう少し欲しいように思いました。

「第六章 地図」あたりからはテンポ感や引き込む力も強まっていき、「第九章 黄昏」に至るまでは一気に物語の時空間をめぐる体験ができます。二章にわたるエピローグの作り方にはいくつかの案をお持ちだったかも知れませんが、ある種のピークを迎えた後と考えると、もう少し簡潔であっても良かったのではと思います。

イワトビまこと委員

宮島や瀬戸内海をキーワードに話を構成すると、自ずと平清盛など平家一族の滅亡にまつわる怨念が物語のあちこちに配され、亡霊があちこちを徘徊するホラーめいたストーリーになりがちです。こうしたエピソードを取り込みながら要領よくまとめ、読者に納得してもらうためには、それなりの技量・工夫が必要となります。怖い題材なのに一向に怖くない、不思議な話なのに一向に不思議でない、そんな小説になりがちです。しかし、藤原平城氏の「ロジカル真紅――赤い要素の集合と死の論理」は通俗的なありふれた小説になることを防ぐため、思い切った場面設定と個性的な登場人物、ストーリーの飛躍により、読み手を新鮮な気持ちにさせることに成功しています。そして手堅い筆致により、ストーリーに破綻が少なく、安心して物語の世界へ引き込んでいく力があります。

個性的なテーストとミステリータッチの物語の進行は、次に一体、何が起こるのだろうかと言う期待感を抱かせます。登場人物では、主人公千尋を平家の幽霊に関する謎解きに誘うボーイッシュな少女、有里がなかなか魅力的です。場面場面に地域の馴染みある地名を配し、ローカル色を出すことにも配慮しています。また広島近郊だけでなく、鹿児島沖の島にまで場面を展開し、スケールの大きな物語を志向しています。ただ時代設定を十年後としていますが、特にその必然性はあまり感じません。現代に設定しても十分に機能するのではないでしょうか。

キャラクター賞:微少女戦隊 イツクシマン!

カワサキマミ委員

美少女キャラクターが織りなすドタバタコメディ。主人公と周囲人物の温度差から生まれる主人公の苦悩を、テンポのよいセリフまわしに乗せて進めてゆく王道のエンターテイメント作品でした。最初から最後まで、大変楽しく読ませて頂きました。犬を含む全てのキャラクターが非常に魅力的で、アニメや漫画に発展させやすい点を評価します。挿絵が付いたら一気に映える作品になりそうです。

ただ、最初から最後まで勢いで一気に読ませてしまっているので、プラスアルファの魅力要素が何かもう一つ欲しいところです。

清水慎治委員

ローカル感がいいですね。明るくて楽しくて、それぞれの人物が生き生きとしています。

宮島を愛しているのがよく伝わります。少しこじんまりしているのが唯一の減点ポイントですが、ノープロブレムです。

イワトビまこと委員

ライトノベルというカテゴリーの中で、ライトでポップな感じがあり、作品自体の起承転結や文章表現が比較的しっかりとしていて、地域性もあります。こうした理由から、碧乃諒氏の「微少女戦隊 イツクシマン!」を評価します。

宮島観光協会青年部が企画した「平和祈願戦隊“イツクシマン”」のメンバーに採用された美少女“杏”や、青年部の福田ほか面々が繰り広げるドタバタ劇は、時に中国管内の地方都市に場所を移したりしながら、ローカル色豊かな物語となっており、十分に楽しめます。「イツクシマン」ほかのキャラクターの選定過程やメンバーのとぼけた会話は、ほのぼのとしていてほがらかです。気楽に読めて肩が凝らない作品です。いい味出してるって感じです。文章に一定のリズムがあり、緩急もある程度効いていて、候補作の中からピックアップするに値するものではないでしょうか。

佳作:渡る鳥 斎き嶋

小沢康甫委員

東京からやってきた高校生・佐伯友哉は厳島の女神によって、神・妖怪がすむ異界に誘われ、不思議な体験をするという作品。友哉は、平清盛と共に厳島神社を造営した佐伯景弘(かげひろ)の生まれ変わり、という設定がユニークです。平家一門の宴に招かれ、地獄の淵で苦しむ清盛に救いの手を差し伸べるくだりは、友哉のやさしさが滲みます。

みやびな音曲が流れる宴の場、平家の栄華を偲ばせる室内の描写はきめ細かいものがあります。重盛や知盛、敦盛らも配され、さらに清盛のそばには妻・時子と安徳帝も登場します。時子(二位の尼)は「浪の下にも都の候ぞ」と最期の言葉を残し、孫の安徳帝を抱いて海に沈んだ二位の尼の亡骸は宮島に流れ着いたという伝説があります。この作品は平家の霊を弔う「鎮魂の物語」といっていいかもしれません。

厳島神が鎮座する宮地を探して島をめぐるとき神鴉に先導されたという伝承や、平家物語なども織り込み、緩急自在。宮島の摩訶不思議な魅力が漂います。

佳作:ようこそ!カミシマへ。

カワサキマミ委員

神様自体はほとんど動かず、主人公へのあいまいなお願いと当てにならない助言だけで、主人公を動かしてしまうのは面白い設定の作品です。その過程で戸惑い・迷いながらも主人公が年上の旧友やその同僚たちとトラブルを解決し成長していく様が書かれている点も好感を持ちました。

惜しむらくは主人公と友人である中川以外の人物の描写が少なく、特にリサというキャラクターの魅力をもっと展開する余地があったかもしれません。

また、最大の危機であった潜水中の出来事をもう少し工夫して描写すれば物語の全体が起伏に富んだものになったかもしれません。しかし、情景描写も十分で主人公視点の一人称の文章に良さがある作品でした。

全体講評

清水慎治委員

応募者の皆さんが、それぞれのスタンスでチャレンジしていることに非常に好感を持ちました。応募作品には、宮島や周辺地域の歴史や伝承をしっかりと踏まえて構成された作品が多く見受けられました。その反面、素材を盛り込みすぎて、まとめ切れていない作品も見受けられました。

歴史的な事象、キャラクターを説明するために、美しい瀬戸内海の海が単なる背景になってしまうことがあります。どのジャンルであっても小説は基本的には人間を描いてゆくものだと思います。

小沢康甫委員

宗像三女神(むなかたさんじょじん)や神鴉(おがらす)、弥山七不思議など比較的知られている神話・伝説から素材を採った例が目立ちました。食べ物では、やはり、もみじ饅頭の出番が多かったですね。「新たな宮島」「もうひとつの宮島」を模索するには、ビッグネームにとらわれない視線が求められると思います。そのためにも、小さなモノやコトに注目しながら想像力を働かせて、大きな物語を紡がれることを期待します。

松野玲委員

「地域×ライトノベル」という趣旨上、どうしてもそのエリア内、もしくはその地域での時間の流れを軸とした展開にはなりがちだとは思いますが、地元にこだわること=(イコール)世界が狭くなることにならないで欲しいと思います。ひとつのコンテンツとして発信力を持ち認知度を高めるには、外部への訴求力・伝播力というのは不可欠で、その意味でも、ほかの地域に住む多くの人々の共感をいかに呼び起こすかということは重要なことだと思います。

地域の歴史や文化をユニークさとして強調するのと同時に、愛や友情といった人間としての普遍的な感情を、物語としていかに魅力あるものにするか、それらの組み合わせによって独自の人を惹きつける、その地域ならではのコンテンツが生まれてくるのだと思います。実際、今回もそんな可能性を持った作品にいくつか出会うことができました。宮島・瀬戸内海という地域を、日本全体、もっと言えば地球全体の座標で捉え、強い力で発信していって欲しいと思います。

イワトビまこと委員

広島という地方都市において、定期的に小説のコンテストが開催され、地域に密着した題材で小説を発表できるという意義は非常に大きいと思います。中国地方を中心に中学、高校の文芸部等が、このコンテストへの投稿をひとつの目標に掲げ、クラブ活動をする、そうした草の根レベルでの浸透が図れたら、このコンテストの存在意義は益々大きくなるのではないでしょうか。まだ二回目の開催でありますので、HPへのアップだけでなく、個別に各学校・団体等にこうした活動をこまめに情報発信していくことが重要だと感じます。

若年者層も大切ですが、中高年への働きかけも重要ではないでしょうか。文化活動は、若年者に限られるわけではなく、昨今は、中高年層が一生懸命創作活動に取り組んでいるのが実態です。若くて新鮮な感性のある人たちを続々輩出する、という願いから「ライトノベル」という冠を付けていると認識していますが、中高年にはこの名前の“立ち位置”が若干分かりづらくて、敬遠する向きもあるのではないでしょうか。このコンテストの存在について更なる理解を求め、老若男女、入り乱れた活動が出来ることが理想のように思います。

カワサキマミ委員

宮島を舞台にした作品ということで、伝奇もの・巫女もの・超常現象ものを題材とした作品が多かったように思います。

そのような似たような印象の作品群の中で、宮島という土地や文化の特徴ををきちんと理解・意識したうえで作品のテーマやコンセプトをはっきりと設定し、自由な発想をプラスして創作された作品からはキラリと光るものを感じました。

ただし、完成度うんぬんは抜きにして、作者が楽しんで書いている作品が沢山見受けられたのは非常に良かったと思います。

作品を最後まできちんと完成させ、他の人に読んでもらって感想をもらう事で得られる満足感は実践した人にしかわからないものです。コンテストに応募できなかった人も、作品を人目に晒す事を恐れずどんどん創作活動にチャレンジしてもらいたいと思います。

むすびに

谷口重徳実行委員長

第2回みんなのライトノベルコンテスト「宮島文庫」表彰式の様子と作品講評を上記の通りサイト掲載いたしました。掲載が遅くなり、お待たせしたことをお詫びいたします。

今回掲載しました講評が、受賞者ならびに応募者、さらにはサイトで創作活動を続けるクリエイターの皆様の参考になりましたら幸いです。

おわりに、第2回みんなのライトノベルコンテスト「宮島文庫」実行委員長として、コンテストに参加頂きましたすべての方々に感謝の念と心からの敬意を表します。
作品をご投稿下さいました応募者の皆様、ご多忙の中、審査をお引き受け下さいました審査員の皆様、そしてサイトを通じて作品をお読み頂きましたユーザーの皆様、コンテストの運営にご尽力下さいましたスタッフの皆様、ありがとうございました。

審査を通じて、改めて宮島という地域の奥深さに気づかせて頂きました。また、地域系ライトノベルや地域系コンテンツの魅力と可能性にますます確信を深めることができました。今後も地域系ライトノベル/地域系コンテンツの可能性を追求する活動を展開し続けます。

これからの活動については、随時「HACからのお知らせ」でご連絡いたします。
今後とも皆様のご支援をよろしくお願い申し上げます。

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